ベンチャー企業さん、一緒にロンドンかシンガポールに行きましょう!

久々の書き込みです。明日1/20から1/29まで、サンフランシスコ&ロサンゼルス出張に出るため、今日は築地オフィスで準備です。

今回は、現在ビジネス開拓や資金調達を手伝っており、かつ自分でも一部出資しているシリコンバレーのITベンチャーの訪問や、ビジネスパートナーの徳田さんが立ち上げた、シリコンバレーに橋頭堡となる拠点を構えたい日本企業に向けたバーチャルオフィスサービスについての打ち合わせです。LAは、去年の9月にブラジルに行く途中で1泊したけど、じっくり時間を取れるのは久々なので、楽しみです。

さて、私の会社では現在、是非ともやってみたいプロジェクトに着手しています。それは、日本のベンチャー企業の「ロンドン証券取引所AIM市場かシンガポール証券取引所Catalist市場での上場支援」です。私は去年、IPO前のベンチャーのビジネスプラン作りや資金調達支援、新興市場上場企業の内部統制構築、などなどに携わっていたのですが、それを通して『このままでは3年後くらいに日本のベンチャー企業はほとんど死に絶えかねない』と本当に強く痛感しました。そしてこの海外上場という選択肢が、それに対する活路を見出してくれるのではないかと思っているからです。

そもそも、日本のベンチャーキャピタル(VC)は、本場アメリカのVCに比べてかなり損失リスクに過敏です。もしかすると、日本のVCも過去はそうでもなかったのかもしれないのですが、私の限られた経験とはいえ、まるで銀行貸し付けの与信調査か?と思うくらい、慎重なことといったら。このような状況で内部統制構築(いわゆるJ-SOX)が始まるので、IPOにかかる手間とコストが各段に上がります。本当に実感していますが、こんな難しいことはベンチャー企業にはToo muchで、とても出来ません。となると、IPOが出来ない=リターンが見込めないベンチャーは、益々VCから資金調達が出来なくなり、事業の立ち上げや初期継続自体が困難になるでしょう。
そもそも、日本は新興市場そのものが不振です。ジャスダックヘラクレスは、統合が具体的に検討されてるくらいなんですから。こうした新興市場に上場してきる企業の大半は、概して出来高が非常に少なく、株価も低迷しているので、IPO本来の重要な目的である時価発行増資という直接金融機能が働いていません。だから、せっかく苦労して上場したのに維持費用ばかりかかって利益を減らしたら、いったいなんのために IPOしたのか分かったもんじゃありません。

これに対する1つのカウンターアクションが、海外市場への上場です。まず大前提として、「ビジネスに海外展開の可能性がある、そのために事業成長の原資を調達したい」という企業である必要はあります。とはいえ、いろんな企業の方々とお話をしていると、ベンチャーのみならず大手企業でさえ、「その技術や製品を日本市場主体(というかほとんど日本のみ)で考えず、最初から『世界中で大きな需要が見込めるところは全て主要市場』と考えれば、格段にビジネスチャンスが広がるのに・・・」と感じることが、本当に多くあります。だから、そういったビジネスプラン&取り組みをサポートし、その成長のドライバーとなる資金も、アジアならシンガポール・カタリスト、ヨーロッパならロンドン・AIM上場で調達しよう、という訳です。この2つの市場は実際にも、上場手続きなどが簡便なこともあり、4-6ヶ月という短期間で上場できます。もちろん、上場に伴う困難な点や、上場後の継続的なレポーティング・IR活動なども必要ですが、それは日本で上場しても同じことなので、「英語でやる」というハードルさえクリアできれば、それほど深刻な問題ではないと思います。

というわけで、今年の大きな目標は、海外上場支援です。もちろん、簡単にできるプロジェクトでは決してありませんが、すでにある程度具体定的な検討にはいっている部分などもあるので、是非とも実現して実例を作り、それを海外志向のある日本のベンチャー企業に、どんどん提案していきたいものです。

石崎 浩之
国際ビジネスコンサルタント
http://www.brainstormww.com/

今日のBGV:Ego Wrappin’ 10周年ライブ「Midnight Dejavu Special」
もう、日本のバンドでは今一番好きなEgoの2006年12月13日のNHKホールでのライブ。10周年ということで、フルオーケストラからビッグバンドまで入り、素晴らしいの一言に尽きる内容。特にオープニングの「Kind Of You」は、何度見ても呼吸をするのを忘れるくらい引き込まれます。つくづく日本人でよかったと思える、一生の宝物。