目指せ、外交のガットゥーゾ!!

昨日に続き、外交の話。
まず前提として、私は自民党支持者ではないし、むしろできるだけ近い未来に政権交代が起こって欲しいと希望しているくらいです。でも、今回の核論議については、明確に麻生外相を支持します。民主党から罷免要求が出たくらいで日和ることなく、自分の意見をはっきり言い続けて欲しい。そもそも外交なんてものは、他国の海千山千の外相との駆け引きをする場なんだから、かなりズケズケと意見主張できるのが当たり前。相手にも味方にも嫌われるくらいしたたかで、丁度いいくらいでしょう。

ここで思い出したのが、サッカーのイタリア代表ボランチジェンナーロ・ガットゥーゾ。イケメン揃いのイタリア選手の中において、ひときわ異彩を放つ無骨なヒゲ面と血走った目つき。試合が始まれば、”狂犬”のニックネームよろしく、とにかくボールも相手選手も追い回し、イエローカードも辞さずファールをかます、つぶし屋です。今年のドイツワールドカップでは、敵のフォワードに抜かれた後に、「お前、いくらなんでもそりゃ無いだろ」というくらいの全身タックルで予想外の笑いを誘い、またある試合では味方がゴールを決め歓喜の輪を作るのには目もくれずベンチに直行し、なぜかリッピ監督に喉輪一発!! そのあと監督も本気でイヤな顔してました。それらの奇行は繰り返し放送されてましたが、イタリアが勝ち進むのに合わせて、逆に周囲では「ガットゥーゾ、いいですね〜」、「こんな汚れ役は、どこのチームも欲しいんじゃないですか?」と評価を上げてましたね。(ま、キャラ的に面白いから、というTV的な受け狙いもあったかもしれないけど。)
ただし、しっかりとしたディフェンスの読みやボール奪取技術、そして驚異的な体力といった実力は誰でも認めるところで、所属クラブであるACミランでもゲームキャプテンを務めることもある、実力と人気を兼ね備えた選手だということは間違いありません。

ここで元の話に戻ると、要は政治の世界でも、正論を述べる人ばかりでなく、急先鋒として他の国に立ち向かう役回りの人間も必要だし、特に外交という丁々発止の場においては、時には周囲を意図的に挑発できるくらいであって欲しいものです。海外から見れば、日本の政治は本当になにも言わず、言えずにいる方々ばかり。でも、日本以外の国では、黙っているのは存在していないのと同様です。存在していないものは、どのように扱われても文句は言えませんし、そもそもそんな状況になってからやっと発言しても、手遅れだよね。ですので麻生さん、あなたも外交のガットゥーゾを目指してください。(見かけは狂犬というより、愛玩犬っぽいけど?)
安部首相、タカ派首相ならば、この件はきっちりとした意見表明をしてください。じゃないと、タカどころか「チキン」と呼んじゃいますよ!!

石崎 浩之
国際ビジネスコンサルタントhttp://www.brainstormww.com/