京都議定書も1997年から

最近たびたび言及している1997年。京都議定書が議決されたのも、この年の12月のことでした(参考:Wikipedia京都議定書)。あれから10年、寒くない今年の冬からも、温暖化傾向は肌で感じ取れます。そして最近話題になっている映画が、アル・ゴア元副大統領が地球温暖化を取り上げた「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」。これは自分でも強い関心を持ってます。温暖化の深刻さについては、海面の上昇でバングラデシュモルジブが水没するのではないか、生態系が完全に変わってしまうのではないかなどなど、去年ぐらいから本当に深刻な問題として受け止められている。それに対して、この10年の間に温暖化対策をもっと早く取り組んでいたら、もう少し違った結果になったのだろうか? 今になって慌てるのなら、もっともっと早くアクションを起こすべきではなかったのか? 自然保護の部分でも、「不作為のツケ」は大きい。とはいえ、いまさら過去を悔やむだけでは意味がないし、悔やむからこそ、遅まきながら政治レベルでも、個人レベルでもアクションを起こしていくべきだろう。自分でも、個人レベルで出来ることはかなり限られているけど、少なくともゴミの分別、不要な電気を使わないこと、そしてコンビニやスーパーで極力ビニール袋をもらわないことを心がけています。

ちなみにこの写真は、2003年7月に行ったスイスのユングフラウ・アイガー・メンヒの三連峰。この年はヨーロッパが記録的な猛暑で、高度4,000メートル近い万年雪がジャバジャバ溶け出していたのを、はっきりと覚えています。やっぱり、国レベルでも個人レベルでも、一丸となってアクションを取らねば・・・
ちなみに、アメリカが京都議定書の批准を拒否しているのは有名ですが、米国内の219都市では連邦政府のスタンスに関わらず、独自に京都議定書を批准しています。自分の頭で考え、自分でアクションを取ろう。

真実はいつも不都合、It’s time for a reality check!!

それにしても、この「不都合な真実」というのは、とても素晴らしいタイトルだと思います。世の中、自分に都合のいいことなんて、そうそうあるもんじゃありません。周囲はむしろ都合の悪いことばかり。だからこそ、それを極めて現実的に受け止めて、まず自分からアクションを起こして不都合な状況を打開していくべきか。そうしたアル・ゴアの姿勢に強い共感を覚えます。ちなみに、私が好きな英語の表現に、「Reality check」というものがあります。これは、アメリカで生活していると頻繁に耳にするフレーズです。自分の考えてること、言ってることが単なるたわごとじゃないのか、「現実を見ろよ!!」ということです。いかにもドライなアメリカらしい言い回しだ・・・ 

あのときゴアが大統領になっていたら?

2000年の大統領選挙のとき、私はアメリカにいたのですが、共和党のブッシュ候補(現大統領)と民主党のゴア候補が大接戦となり、一般投票の得票数はゴアのほうが多かったのに、選挙人獲得数で上回ったブッシュが大統領になりました。あのとき、ゴアが大統領意なっていたら、世の中はどう違っていたのだろう、と思います。少なくとも、ブッシュ主導の石油利権の推進、イラク戦争イラク弱体化によるイランの台頭などは起こっていなかった可能性が高いでしょう。そうであれば、世界は政治的にも自然環境的にも、もっと違った2007年を迎えていたかもしれません。ゴアは、クリントン政権の副大統領時代に、情報スーパーハイウェイ構想を推進し、世界のIT化のイニシアチブを取った人物で、私はとても有能な方だと思っています。本当は2004年の大統領選挙にも出て欲しかったけど、2000年の選挙後、早々と不出馬を表明してしまいました。改めてこの人の先見の明は、まだまだ世界に貢献できるのではないでしょうか? 2008年の次期大統領選挙には、オバマでもヒラリーでも民主党に勝ってもらった上で、ゴアには大臣でも顧問でもいいから、政治の第一線で活躍して欲しいものだ、ボクには投票権ないけど。

石崎 浩之
国際ビジネスコンサルタント
ブレインストーム・ワールドワイド代表(http://www.brainstormww.com/